社内恋愛を禁止することはできるか?



 @ 社内恋愛の噂が耐えない従業員がいる。その相手は既婚者で、社内で知らない者はいないくらいである。処分はできないものか。(製造業)

 A 男性事務員(既婚者)と女性事務員(未婚)が不倫関係になり、男性事務員はほとんど家に帰っていないらしい。男性事務員の奥さんから事務所に、電話や訪問が頻繁にあり事業に支障をきたしている。解雇は可能か(資格士業)



 原則として個人の問題なので、ただ付き合っている程度ならプライベートの問題なので余計な口出しをすると人間関係がこじれるでしょう。

 ただし、業務上に支障をきたすのであれば話は別です。業務に支障をきたした事実を指摘して、注意・指導を行う必要があります。あくまでも社内恋愛が理由でなく、業務に支障をきたしたことでの注意・指導でしかできません。しかし、実際のところ具体的に指導できないことの方が多いのではないかと思います。何らかのトラブルが表面化しなければ何もできないのが実情です。この種の事例は個人の私生活上のものなので、解雇事由になるかどうかは、会社の業務、会社の名誉・信用等にどのような影響を与えたか、どのような損害を受けたかで判断の分かれ目になるといえます


 今回の事例ですが、@は倫理上反することでも、今のところ処罰することは無理でしょう。Aも、基本的には家庭で解決する問題なのですが、事業に支障をきたしているので指導・注意した上で改善できなければ何らかの処分は可能でしょう。


 このような事例では、配置転換や退職勧奨を行うことも考えられるでしょう。配置転換を行うにしても、業務上の理由のない異動は、その人を排除することを目的となるため配置転換はできません。説明ができなければ、新たなトラブルを生みます。また、退職勧奨も、度を超すと強迫になります。相当額の退職金を支払っての退職ならともかく強迫による意思表示は取り消すことができますので重大なトラブルに発展することになるでしょう。