求人票記載の労働条件は労働契約の内容になるか

 ハローワーク(公共職業安定所)の求人票を見て、今勤めている会社に応募して採用されたのですが、労働時間や給料が求人票に書かれている内容と異なっています。少なくとも求人票に書かれている金額の給料は貰いたいのですが。



 求人票や求人誌の募集広告などを募集要項と呼んでいますが、募集要項による募集は「申し込みの誘引」と解され、募集要項と異なる内容で労働契約を行っても本人の同意があれば問題はありません。しかし、何も説明がなく実際に働き始めたら違っているというケースでは本人の同意があったと解するのは難しいです。その場合、労働基準法第15条第2項では、「明示された労働条件と相違する場合においては、労働者は即時に労働契約を解除することができる」と定めています。

 しかし、設問のようにどのような労働条件で契約をしたのか食い違う場合、労働基準法では解決できない場合があります(時間外労働や最低賃金を下回っているなど明らかに法令違反の場合を除く)。そのような場合は、裁判所で契約の確認の訴えを起こすか、都道府県労働局に設けられている個別労働紛争の紛争調停委員会にあっせんを行ってもらう方法が考えられます。

 労働基準監督署で対応できなければ都道府県労働局の総合労働相談コーナーを紹介されますので、まずは勤務先を管轄する労働基準監督署でご相談してみて下さい。