社会保険・労働保険に加入していますか



   労働保険(労災・雇用)
   労働者災害補償保険(労災保険)

   従業員(パート・アルバイトも含む)が1人でもいると、原則として労災保険の適用事業になります。この保険は、   労働者個人にかけるものではなく会社全体に保険をかけるものなので、従業員が保険事故に該当すれば保険給付を受   ける対象になります。    保険給付の種類は、業務災害に関する保険給付、通勤災害に関する保険給付、二次健康診断等給付に分けられます。    業務中のけがや通勤途中のけがは健康保険は使えませんので、必ず労災保険の手続を行ってください。また、労災   事故を隠すことは違法行為になりますので注意してください。    注意    次に該当する方は、保険給付を受けられないことがありますので注意してください。詳しくは所轄の労働基準監督   署の労災課にお問い合わせください。   @事業主(役員も含む)    原則として、労災の適用はありません。ただし、事業主の特別加入をすることによって補償されますが、あらかじ    め届け出た労働に対してのみが対象となります。役員としての仕事(銀行の融資の相談など)中などの労災事故に    関しては補償されません。   A請負契約    原則として請負契約で仕事をしている場合は、労災保険の対象になりません。   B建設現場での事故    建設業で働いている場合は、被災状況で保険の適用が異なります。原則として、建築工事の業務中の事故は元請負    人の労災保険を適用します。なお、一人で建設業を行っている場合(いわゆる一人親方)は、特別加入することで    補償を受けられます。   C職業実習の学生・生徒・研修生の事故    インターンシップや体験授業、外国などからの研修生が仕事中に起こした事故は原則として労働災害になりません。


   雇用保険
   従業員(パート・アルバイトを含む)が次の事柄の両方に該当する場合、原則として雇用保険の被保険者になりま
  す。

  @1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  A1年以上引き続き雇用されることが見込まれること

   ただし、入社時に65歳以上の者(例外あり)、昼間学生や海外の現地採用された者、監査役、日本国内に定住資格
   のない外国人などは被保険者になることができません。 


   この保険は、失業したときに保険給付を受けることができる以外に、育児・介護で休業している者、60歳以上65歳
  未満の高齢者で一定の要件に該当する者、教育訓練を受ける者にも給付があります。また、雇用保険の適用事業の事
  業主は厚生労働省の主管の助成金を受給することができます。



   社会保険(健保・厚年)
   法人及び常時5人以上の従業員を使用する事業所(個人事業の農林水産業・サービス業などを除く)は、強制適用
  事業所になります。強制適用事業所は、健康保険・厚生年金の両方に加入しなければなりませんので、法律で定めら
  れている場合を除き事業主又は従業員の都合で片方だけ加入ということはできません。また、法人は営利、非営利は
  問わず強制適用事業所になります。

   事業主(役員も含む)は、法人の場合は被保険者になりますが、個人事業主は被保険者になりませんので国民健康
  保険・国民年金に加入することになります(任意適用事業所の場合でも個人事業主は被保険者になれません)。

   パート・アルバイトも次の用件に該当する場合は加入しなければなりません。

  @1日の勤務時間が、一般従業員の所定労働時間の概ね4分の3以上の者
  A1ヶ月の勤務日数が、一般従業員の所定労働時間の概ね4分の3以上の者

   健康保険
   この保険は、病気やけがなどで病院に通院したり保険薬局で薬剤の支給を受けるときに利用する保険で、馴染みが
  あると思います。健康保険の保険給付は、業務外の事由による疾病、負傷、死亡、分娩に関して行われるほか、被扶
  養者にも行われます。なお、健康保険の被保険者には年齢制限がありませんので、適用事業所に勤務していて被保険
  者の要件に該当している限り被保険者のままになります。

   被扶養者となるためには、次の用件に該当しなければなりません。被扶養者の要件に該当しない場合は、国民健康
  保険に加入しなければなりません。

  @被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚も含む)、子、孫及び弟妹であって、主として被保険者により生計を維持す
   る者
  A被保険者の3親等内の親族であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持
   する者
  B被保険者の配偶者であって届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者の父母及び子でその被保険者
   と同一世帯に属し、その被保険者により生計を維持する者
  C前号の配偶者の死亡後における父母及び子で引き続きその被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者によ
   り生計を維持する者

   16歳以上60歳未満の者については、特に被扶養者に該当するか否かの事実確認をします。これは通常、就労し得る
  状態にあると考えられ、特に就労の事実、収入の有無を調査して認定しようとするものです。被扶養者となる者(認
  定対象者)に収入がある場合の具体的な認定基準は次の通りです。

   認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上の者又は障害者の場合は180万円未満。以下同じ)であって、かつ
  被保険者の年間収入の2分の1未満であるときは原則として被扶養者になります。
   認定対象者が被保険者と同一の世帯に属していないときは、認定対象者の年間収入が130万円未満であって、かつ被
  保険者からの援助による収入額より少ない場合は、原則として被扶養者になります。


   厚生年金保険
   義務教育を終えて適用事業所の会社に就職した者は、厚生年金の被保険者の資格を取得します。資格を喪失するのは
  原則として70歳に達したときです(平成14年4月1日から被保険者期間が70歳までに引き上げられました。そのため、
  すでに65歳以上の方でも在職している場合は、再び厚生年金保険の被保険者になり保険料が徴収されます。その後70歳
  に達したときに、厚生年金の被保険者期間として計算され、年金支給額が変わります)。

   被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の者(被扶養配偶者)であれば、国民年金の第3号被保険者の資格を取得しま
  す。被扶養配偶者の要件は、原則として健康保険の被扶養者であることが必要です。被扶養配偶者は性別を問いません
  ので、いわゆる「サラリーマンの妻」だけに限りません